2009-04-29

一欅庵

杉並区の松庵に現する築約80年のお宅の内覧会に行ってきました。



駅の向こう側なだけなので、自宅から散歩がてら歩いて行ってみる事に。
寄り道をしながら、程なく到着。
一欅庵と名の付いている如く、すごく立派な欅が目立ちます。
杉並の保存樹木にも指定されていました。



中に入らせて頂くと、なんとも懐かしい間取り、雰囲気です。母方の福島の実家と似た雰囲気を感じます。
建具の桟やら、ガラスやらも当時のままで、保存状態というか、すごく丁寧に生活されていたのだな、と思えました。



縁側と中廊下に挟まれた二つの居室を繋げて、座談会。
オーナさんによる基調講演、スライドによる、レクチャ等々。
僕もナニゲに杉並生活が長いので、「杉並たてもの応援団」さんの活動は良く理解できて、楽しかったです。



オーナさんご家族は、しばらく前に、同じ敷地内に別邸を建て、今はそこで暮らしている、との事。
要は空家な状態なのですが、思い入れも深く、なんとか保存していけないか、という所を模索している最中だそうです。
毎年の税金もある程度あるでしょうし、一番安易なのは、更地にして、収益のある共同住宅でも建てるのでしょうけれど、そうではなく、継承していく事を前提とした考え方は興味深く、好感が持てました。
また、各種資料の保存もしっかりされていて、昭和6年当時の土地の売買契約書、建物の設計図、見積書、確認申請書までありました。

なんとか良い方法を模索しつつ、残していければ良いな、という建物でした。

0 件のコメント: